
2月28日(日)、「大地宅配オーガニックフェスタ(東京集会)」が開催。ここでは、トークイベント「10年後の大地を守る会(未来)を語ろう!」をお届けします。生産者、消費者、大地を守る会の社員によって語られた未来は、私たちの食卓の未来でもあります。10年後の未来を一緒に考えてみませんか?
<ゲストスピーカー>『東北食べる通信』編集長 高橋博之さん
<生産者>やさか共同農場 佐藤大輔さん
<生産者>瀬山農園 瀬山公一さん
<消費者>安西直美さん
<大地を守る会>農産チーム 村瀬峻史
<ベジアナ>小谷あゆみさん
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生産・消費・流通の立場から
10年後の農業の未来を考える。
高橋:昔は、長男が残って農家を継いで、次男以下が都市へ出ました。都市と農村、漁村は血縁関係でつながっていました。今では、親族はおろか知人にさえ農家や漁師がいなくなっています。
10年後には、40歳以下の生産者はいなくなるというデータもあります。にもかかわらず、多くの消費者はひとごとです。それはなぜかというと、
困っている農家の顔が見えないから、じゃないかと思います。データだけでは心は動かないんですね。
10年後に困るのは、生産者だけじゃなくて消費者も一緒です。だからみんなで一緒に考えないといけないと思いました。
安西:10年後を考えると、食べ物が入手できるのか心配です。今は何でも手に入るのが当たり前で、危機感がなさすぎます。10年後には、私の子どもたちは成人していますから、食べ物にしてもエネルギーにしても主体的に選べる人に育てなくてはと思います。
不安なく生きられる社会で、
作る人と食べる人が仲間として協働できる世の中になることを願っています。
村瀬:そのためには、「消費者」「生産者」「流通者」という肩書ではなく、
一人の人間として理解し合える関係作りが大事だと思っています。
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生産者と消費者が、助け合い、生かし合う。
瀬山:私は
消費者の皆さんの声をもっと聞きたい、という想いが強いです。こういうことを知りたい、生産者にこうしてほしいといった声です。
佐藤:うちは田舎の山間部ということもあって、
消費者が畑に来るのを待つのではなくて、こちらから台所へ行こう!と、すでに出張味噌作りを40カ所でやりました。あとは、子どもたちの教育に力を入れたい。
生き物としての感性が純粋な子どもたちに、農業に触れてほしいんです。地元の小学校に行って、「義務教育に農業を入れよう」「校庭に農場を作って」と働きかけています。子どものうちに、米や野菜を作ったら意識は変わるはずです。どうにか叶えたい夢です。
瀬山:うちは都市近郊型なので、それを生かして産地交流もしていきたいと思います。野菜をしっかり作って、大地を守る会とも消費者の皆さんとも、さらにつながりを強くしていきたいです。
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私たちは10年後も、作る人、食べる人とともに「大地を守る」
高橋:10年後は、医師に払っているお金を農家に払うような世の中にしなければならない。食にまったく無頓着で、健康を害して悲惨な死に方をする人が増えているように感じます。
同じお金を使うのであれば、今、食に払って健康寿命を延ばした方がいい。もうこれ以上、食にお金はかけられないという声を聞きますが、それは違う。

たとえば、牛乳の50円の価格差を惜しむ一方で、携帯電話を何万円も使っている人がいます。何に優先順位を置くかではないでしょうか。それと、
現代は、「生きる」リアリティに飢えている人が多いんです。
練馬区では、農家と農業体験したい区民とをつなぐ事業をやっていますが、一軒の農家に150人もの区民の応募があり、いつも抽選だそうです。みんな身体を動かしたがっている。「生」を実感したがっているんです。
第一次産業は、そういった人たちにとって生きるスイッチをオンにできる場になれるはずです。
10年後は、生産者を助けるのではなくて、生産者に助けられる時代になりますよ。
小谷:空腹を満たすための食ではなくて、脳や心を満たす食と言われています。農の現場がコミュニケーションに飢えている人や人間らしさを取り戻したい人たちの回復の場となっています。
希望は産地にあると感じました。
有機って何かと私なりに考えると、お互いを生かし合うことだと思います。多様性と持続可能性が地球規模のテーマと言われていますが、そんななかで「大地を守る」というのは、素晴らしい言葉だと思います。
私たちの営みこそが大地を守っている。そして、それがつながっていく。
今こそ、作る人も食べる人も、食の本質を見つめ直して、お互いを助け合い生かし合えるように変わっていくことが、大地を守ることにつながるのだと思います。

10年後、私たちはそれぞれの立場で、何を考え、どう行動し、子どもたちに食について何を残せるでしょうか。